不動産投資の孤独死。これへの対応は必須スキルですね。孤独死の発見時に修繕等にかかる費用の見立ては約170万円で内訳は次のとおりでした。
- 玄関扉の鍵の開錠:10万円
- 遺品整理、残置物撤去:30万円
- 原状回復費:100万円
- 特殊清掃:30万円(必要であれば)
亡くなった生活保護の居住者にはお子さんがおり、このうち、玄関扉の鍵開錠10万円と、遺品整理・残置物撤去30万円は対応いただけました。
原状回復費の見積もりと、当時は必要かどうかがわからない特殊清掃の見積もりをすべく、残置物を撤去した部屋の状態を確認をしに行ったというのが前回の話です。さて、原状回復にいくらかかるのか。
ということで、「孤独死の修繕費」、について。
特殊清掃の有無による影響
特殊清掃も可能な原状回復の業者さんと共に部屋に入ると、窓が全開されており亡くなった生活保護の居住者のお子さんがいました。挨拶とお悔やみを申し上げ、少したって業者さんが言います。
「大丈夫そうです。」
確かに、経験したことないような臭いがするんですが、業者さん曰く、これは状態が良い方だとのこと。これはでかい。
特殊清掃の有無ってすごく大きいんです。事故物件かどうかに関わってきます。国土交通省のガイドラインですね。自殺、他殺は事故物件、自然死は事故物件では無いんですが、孤独死の自然死等で発見が遅れ、夏場で遺体が腐敗してる等で特殊清掃をしたら事故物件です。そう、特殊清掃したら事故物件。事故物件かそうでないかはでかいですね。賃料や客付けに多大な影響を及ぼします。
原状回復費はいくらか
そして、原状回復費はいくらか。約4年住まわれており、残置物がいっぱいではあったのですが、残置物が撤去された室内は思ったよりきれいでした。通常であれば、倒れていた部分が汚れていたので、そこのクロスやクッションフロアの張替えと、クリーニングといったところです。その場ですぐに見積もりを出せるというものでも無いようで、後日に見積もりをいただこととなり、部屋を離れました。
そして後日、見積もりを頂くことになります。今回は臭いの話があります。よって、壁紙やクッションフロア、巾木等は全交換、壁や床のボードも一定範囲のものを交換、設備も一部交換、これにて約110万円なり。
工事を進めるにあたっては、一気に110万円分やるのではなく、まずはここまでやってみてどうかと進めたんですが、結局はボードや設備も含め110万円のフルリフォームとなりました。臭いが残るんです。見た目うんぬんでは無いんですよね。
孤独死の発見がもっと遅れていたら、もっとかかったんだろうな、そして特殊清掃が必要となり、事故物件になっていたんだろうな、と思うと恐ろしいです。6月でしたが、死後2週間後ほどでの発見だったので、この程度ですんだのでしょう。
保険で対応できるのか
原状回復費が約110万円、入居者と私、それぞれいくらの負担になるのかはさておき、とにかく110万円です。そして、亡くなった生活保護の居住者のお子さんと話していると、支払い能力が、というのを感じます。
そこで保険金請求上限100万円、これを使うことになります。当然に上限の100万円が出るだろうと請求するのですが、ここで思わぬ一悶着が。。。
↓ これまでの話です。
- 第0話:不動産投資の孤独死発生でこうなった season2が始まります
- 第1話:それは1件の滞納から始まった
- 第2話:警察からの依頼
- 第3話:2度目の生存確認
- 第4話:開かずの扉
- 第5話:開いたパンドラの箱
- 第6話:修繕費等で200万円
- 第7話:知ったこっちゃないんだけど
season2の連載中ですが、 「孤独死発生でこうなった season1」につきましても、多くの反響をいただいてます。ご興味ありましたら次のseason1 第1話からご覧ください。
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